提案・試作事例

「名もなきランタン 暁」の製造工程をご紹介

榊原工機は2024年1月19日から、クラウドファンディングで「名もなきランタン 暁」の受注をスタートました。想像以上に多くの皆さまからご支援をいただき、また各メディアへもご紹介いただき、本当にありがとうございます。

名もなきランタン 暁

【特設サイト】
https://sakaki-gear.com/

【CAMP FIRE 商品紹介ページ】
https://camp-fire.jp/projects/view/724739

榊原社長が製造工程をご案内します

そこで今回は、ご支援いただいた皆さま、そして現在ご検討いただいている皆さまに向けて、「名もなきランタン 暁」の製造工程をご紹介したいと思います。

案内係は「名もなきランタン」の生みの親、有限会社榊原工機の榊原社長です。では行ってみましょう!

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

当社の工場内はこんな感じになっています。

当サイトにはバーチャル工場見学のコーナーもありますので、ぜひご覧ください。

バーチャル工場見学

(新しいウインドウで開きますので、後ほどゆっくりどうぞ)

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

加工に使っている機械はこちら!

さて、「名もなきランタン」の製造にはどんな機械を使っているのか? と気になっている方も多いのではないでしょうか?

使っている機械は何台かあるのですが、主にオークマの複合加工機「MULTUS(マルタス)」と、森精機のNC旋盤をメインで使っています。

右の写真は2023年4月に導入したオークマのMULTUSで、一般的な旋盤の丸の加工だけでなく、斜め穴など複合的な加工ができるハイエンド機です。

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そして材料は…… 真鍮の、直径50mmの丸棒です。

加工方法は切削加工です。この丸棒から1個ずつ、時間をかけて削り出していきます。

※注:ブラック、シルバーはアルミの棒材から削り出します。

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

こちらは森精機のNC旋盤の加工室です。

まずは左側にあるチャック(爪)で材料をしっかり掴んだ状態で、材料を高速回転させて、右側にある刃物で外径、内径を削ります。

次に製品をチャックで掴んだまま回転を止め、今度は工具を回転させてスイッチ部分の加工や穴あけをしていきます。

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

少しクローズアップした写真です。今削っているのは上のフタの部分ですね。

奥に見えるきれいな金色の破片の山は、加工で削り取った後の真鍮の削りかすです。

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こちらは本体の下の部分です。こちらも外径、内径を削り出してから支柱を立てる穴をあける工程までを、複合加工機・NC旋盤で行います。

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続いて切削加工後の仕上げ作業の様子です。真鍮を削った後、光らせるために「バフがけ」という仕上げを行っています。

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

次はレーザーマーキング工程です。SAKAKI GEARのロゴと、オプションでご依頼いただいている名入れをこのタイミングで行います。榊原工機にはレーザーマーカーもありますので、名入れを含む全ての加工を社内で完結できます。

さて、材料から形を作る切削~仕上げの工程はここまでです。部品を揃えて、組立に工程に進みます。

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

職人のこだわりが光る組立工程

では組立の工程を見ていきましょう。

まずはベース部分に4本の真鍮の柱を立てる工程です。

支柱にはあらかじめ穴をあけておき、本体に差し込んでから本体側にねじで固定していきます。

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

そして組立工程でのいちばんのこだわりポイントがこちら、取っ手の組み付けです。

使っていただいているときに取っ手や支柱が外れたり抜けたりしないように、「カシメ」という作業をしています。


「カシメ」とは…… 金属部品の組立方法の一つで、接合部分を工具で加圧して金属を変形させて固める工法です。

今回は「名もなきランタン」のために、
専用のカシメ治具を製作しました。


特に「名もなきランタン」では接合部分の抜け、外れだけでなく、取っ手がだんだん奥にズレていくケースも想定されたので、対策として固定部分の両側をカシメています。

お手元に届いたらぜひ、こだわりの細かい職人仕事をチェックしてくださいね。

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

最後に1つずつ検品して……

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「名もなきランタン」の完成です!

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

想いを繋ぐ「名もなきランタン」

そもそも「名もなきランタン」は、誰かを喜ばせるための特別な贈り物として、榊原社長が製作していたものです。当初は誕生日、就職祝い、開業のお祝いなど、人生の節目を迎える人に贈っていました。

そんな中、原子力爆弾が投下された広島で奇跡的に残されたピアノを使い、平和を訴え国内外でコンサートに携わるピアノ調律師の矢川光則氏と出会いました。榊原社長はその活動に感銘を受け、自分の作ったランタンを「平和のために連れて行ってほしいと」いう想いで矢川氏にプレゼントしました。今もコンサートの際にピアノの上に置いて使っていただいているそうです。その様子が右の写真。ピアノの上に「名もなきランタン」があるのがわかりますか?

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

そして最近、私たちのいる製造業、特に町工場では「後継者がいないから廃業する」という仲間が増えてきています。

このような状況の中で、私たちがランタンを皆さまにお届けする活動を通じて、町工場を応援してくれる方が増えているのを本当に嬉しく感じます。

嬉しいといえば、先日アウトドアのイベントに出展したときには、私たちの一人娘(24歳)が手伝ってくれました。今回のクラウドファンディングの挑戦についても「すごいね」と応援してくれています。

私たちの活動が、町工場の業界を明るく照らす光になると良いな、と思っています。

ということで、私たちが作ったこだわりの「名もなきランタン」ぜひお手に取ってみてくださいね。

【名もなきランタン 特設サイト】
https://sakaki-gear.com/

【CAMP FIRE 商品紹介ページ】
https://camp-fire.jp/projects/view/724739

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