斜め加工が得意な榊原工機とマルタス
榊原工機は「斜め加工」を得意としています。
その理由は、2023年4月に導入した最新設備・オークマの「MULTUS」。マルタスは自在にヘッドを倒して加工できる複合加工機で、斜め加工に最適な設備です。
さて、今月は新しい斜め穴のご依頼がありましたので、実例をご紹介していきます。
今月の斜め加工事例をご紹介
今回のご依頼は、工作機械関連の部品でした。
直径φ80mm×高さ40mmの、フランジ形状の部品、30個製造のご依頼です。
外周に穴が空いているのですが、ほとんどが垂直の縦穴。
…………そして1個だけ「斜め穴」!
(斜めの部分に棒を入れて、斜め穴を表現してみました)
最新設備マルタスの出番となりました。
複合加工機「マルタス」による加工のメリットとして、主に3つのポイントがあります。
【複合加工のメリット】
①1台の設備で、ワンチャック(持ち替えなし)で加工できる
②だから、高い精度が出る
③だから、加工時間が短い
従来の場合の工程と比較してみましょう。
【従来設備を使った斜め加工の工程】
1.NC旋盤で円盤部分を削り出し
2.マシニングセンターに移動して、垂直穴をあける
3.マシニングセンターでワークを掴み直して
(この場合、立体物を掴む治具などが必要になるので費用と加工時間がアップ↑)
4. マシニングセンターで斜め穴をあける
という4工程になります。それが、マルタスを使うと……
【マルタスを使った斜め加工の工程】
1. 旋盤加工から垂直穴、斜め穴あけまで、1工程で加工
-以上-
従来の4工程が、なんと1工程に短縮されました。
1工程で加工できるメリットは、繰り返しになりますが、
・ワークの掴み直しがない→わずかなズレも発生しないので高精度
・工程間の移動がない→加工時間を大幅短縮
となります。品質面でも工程面でもメリットがありますね。
斜めがわかりやすいように棒を入れて横から撮影してみました。
こちらから見ると「斜め穴」がよくわかりますね。
複合旋盤 MULTUS(マルタス) のご紹介
この記事でご紹介した加工は、こちらの設備で加工しています。
2023年春に導入したオークマのインテリジェント複合加工機、つまり複合旋盤の
MULTUS B300Ⅱ(通称マルタス) です。
「斜め穴」だけでなく、丸い部品の削り出しや「斜め溝」の加工にも対応できます。
こちらの写真はMULTUSのヘッド部分です。
写真の左側がワークの取り付け部分で、右側にあるのヘッドが無限・無段階に動きます。
そのため、任意の角度にヘッドを倒して「斜め穴」「斜め溝」などを自在に加工することが出来ます。
榊原工機では、「斜め穴」や「斜め溝」などの加工でも、
小ロット、単品から対応することができます。
最近は、たとえば試作部品や1品モノの治具・部品など、
メーカーや大学で研究開発に関わる方からのご依頼も多くなってきています。
研究開発職の皆さまからも、加工・部品のご相談をお待ちしています。
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